世界の婦人問題 4

ところで、そうした出版物の中に、1968年以降、はじめは軽く、やがて強い調子で新しい問題視が導入されます。


それは、「女らしさ」の幸福感を与える主題を、新しい女権拡張論の閏題的主題に変化させるものでした。


・・・このように、はじめは本質的に想像的なもの(小説類、挿絵類)であり、表皮的なもの(香水、白粉、香油)であり、習慣的なもの(流行にしたがうこと)であった「エロス」が深刻化し、問題化します。


もはや単に「人に気に入られること」ではなくて、快楽が問題となったのです。


「人に気に入られること」への執着は、こうして性に通じていくのです。


つまり、表面の「エロス」は否定性を自らの中に充填して、それ以後深部をさまよい歩くことになったのです。


それと並行して、はじめは聖化された結婚は、やがて保護されるものとなり(あなたの家庭を守れ、忍耐強くあれ、心の動きをより知る者であれ、巧妙であれ)、つぎには問題視されるものとなります。


つまり、夫婦は平等の土台の上に生きることができるだろうか、どのようにしてか、離婚すべきか。


・・・そして最後の疑問が現れます。


それでも結婚しなければならないのだろうか?


経済問題は、家事の切り盛りの苦労という通用門を通って、ひそかに登場します。


社会問題は、婦人労働問題を通して、世界の問題は、本やテレビ、多少とも社会問題に触れた旅行、多少とも社会学的なルポルタージュです。


そこではションバール、モラン、デュヴィニョーといった人々がインタビューされるでしょう。


こうしたものを通して、入りこんでくるのです。

世界の婦人問題 3

他方では、フランスにおける新左翼の衝撃波は、アメリカ的ウーマン・リブの衝撃波の推進力のもとに、結局のところ、まさしく女権拡張論のフランス的衝撃波M・L・F(「婦人解放運動」)を出現させていくのです。


アメリカ合衆国においてと同様フランスにおいても、婦人の動員は、それぞれ1967年に出発する大衆の高まる波動と衝撃波の同時性に特徴づけられています。


子宮は、ありうる限りもっとも女性に特有の、生物学的にもっとも女性的な決定的場所でありながら、女権拡張論のもっとも一般的で、もっとも性に関わらない権利要求である「肉体を所腎すること」・・・


つまり自己自身の存在の自決権と結びつきました。


このように、そもそもの出発点が「女らしさ」と女権拡張論を結びつけ、それら両者の相互作用の過程を始動させました。


「女らしさ」のためにとっておかれた分野においてもそうでした(『エル』誌、『マリー・クレール』誌、婦人向ラジオ放送)。


かつてはこうした大衆文化の婦人部門は、コミュニケーション上、広大な嬬人室を構成していて、そこでは女性は自律的な飛び地の中に統合-隔離されていました。


また、人に気に入られること、人の心を捉えること、愛されること、家庭を切り盛りすること、料理をつくることなどに、固有の能力や魅力を身につけたものです。


一方では幸福感をもたらすこと、女性を神話化すること、他方ではあらゆる種類の実際的助言をおこなうこと(料理などの作り方、ショッピング、手入れ)といった大衆文化の本質的な側而は、どこよりもそこで強調されていました。

世界の婦人問題 2

1968年という年は、それ自身表面的には婦人問題と直接関係していないけれども、間接的には大いに関係があります(野蛮な揺り籠です)。


特に注目すべきことですが、この年には女権拡張論的な運動もデモンストレーションもおこりませんでした。


けれども事実は、1968年5月の体験が、間接的に婦人運動にとって決定的なものとなるでしょう。


1968年5月は過程を始動させはしないけれども、そうした過程の中に介入してゆくさまざまな要素に触媒的に作用したのです。


一方では、実存的に何かが変わったのです。


それとは別の渇望、混乱した欲求を抱いていた幅広い波動が、婦人の置かれた状況に波及します。


そして、1967年秋には『エル』誌、ついで『マリー・クレール』誌のレーダーが、その波動をいちはやく検出し、結果としてそれらの雑誌を変化させます。


・・・つまり、「女らしさ」と女権拡張論の閾の最初の文化的相互浸透が実現してゆくのです。


世界の婦人問題

今日は世界の婦人問題について。


1967年に開けられた突破口を通して、女性についての全体的問題化と女性の異議申し立ては、飛躍的な発展をとげるでしょう。


フランスでも、アメリカ合衆国におけると同様に、婦人知識人層は戦闘的になります。


(フランスでは、出発点には婦人科学者である女性医師たちがいます。


アメリカ合衆国では、特に精神分析の女性医師、心理学者たちが出発点にいました。


この場合には、直接的に心の問題の段階にあるわけです)。


・・・こうした前衛たちが、かつて女性の現状を維持することに協力していたさまざまな階層(大新聞、婦人向雑誌の出版界)をまきこみ、それらがその後、問題を一般に浸透させてゆくことになるのです。


うまく統合された婦人運動、人々を統合する婦人運動の中で、戦闘的な女性たちは彼女らなりに、単に彼女らの結社の中に浮かびあがってくるのみならず、彼女らの個人生活をかきみだしにくる問題を、問題としてとらえることに敏感です。


彼女らは知的になり、イデオロギーの糧を求めます。


実際、1967年という年は、婦人たちのさまざまな結社の世界においても、マス・メディアの世界においても(メニー・グレゴワールがラジオ・リュクサンブールに登場する)、醗酵の年です。


1968年5月が間に割りこんでくるのです。

開発途上国の伝染病情報について 9

出国前の準備は大切なので、これには充分な期間をかけたいものです。


特に開発途上国に長期滞在予定の場合は、少なくとも4ヵ月位(B型肝炎の予防接種を必要とする人は6ヵ月位)の準備期間を考える必要があります。


出国前の諸準備の主なものを以下に示します。


1ヵ月以内の短期旅行の場合は、1.2.6.および⑦の諸準備は除外してもよいと思いますが、45歳以上の人は1.を実行することをおすすめします。


11.精密身体検査


2.歯の完全な治療


3.予防接種


4.メガネの用意


5.家庭常備薬


6.現地の住宅、医療および衛生情報の入手


7.その他の準備


1.医師から、病気の診断名(英語、またはラテン語)、今日までの簡単な経過、治療方法(薬名は化学名)を書いてもらう。


2.薬の必要量をもらい、携帯手荷物の中に入れていく。


薬を持参する場合、必ず医師の処方箋の写しを薬に付けておかないと、国によっては入国の時に(または荷物の着いた時に)、税関で没収されることがあります。


日本から薬を送ってもらう場合も同様です。


念のため、日本から必要に応じて薬などを入手する方法を考えておく。


3.日本でかかりつけの医師の電話番号を控えておき、必要な場合には外地から呼び出せるようにしておく。


身体検査の結果を巻末につけてある「健康診断カード」に英文などで記入する。


必要ならばさらに詳細な医師の報告をもらっておきます。


開発途上国の伝染病情報について 8

ペニシリンが効かない尿道炎の1つに、非淋菌性尿道炎といわれる病気があります。


原因はクラミジヤ、ウレアプラスマ、リコモナス、カンジダなど種々の微生物によります。


これは、淋疾同様性行為により感染します。


発生頻度は淋菌による尿道炎よりも高いといわれています。


尿道炎の症状は、排尿時の痛み、尿道口からうみが出る、尿道がかゆい、排尿後にまだ尿が残っている感じがして、またすぐ便所へ行きたくなるなどです。


女性の場合は、原因菌を保菌していても症状がないことがあります。


熱帯地方では性風俗がオープンな国が多いようですが、これらの性病にはくれぐれも注意しましょう。


睡眠中には何が起こっているのか

睡眠中には血糖値があがるので、当然呼吸性の血液アチドースが起こるはずですが、その程度はごく少なく、阻の低下は0・03~0・04にすぎません。


血糖はいろいろの報告がありますが、これは実験条件の不一致のためでしょう。


多くは低血糖だといい、なかには60㎎以下にさえなるといいますが、これでは空腹感がひどくて寝苦しいのではないでしょうか。


血清中の全カルシウムは減りますが、カルシウム・イオンは逆にふえるという人がいます。


これは睡眠中にリンパ液が血の中に入ってきて血がうすくなる(そのため血液量はふえるが、赤血球数や血色素量は減少する)ためだと説明しています。


それに反対して、これらの血液成分の変化はたいていは横になって眠るためで、たとえば馬のように立ったまま眠ると、こんな変化は起こらないという学者もいます。


私もどちらかというと後者の考えで、一般に睡眠中の生理変化には、それの原因が必ずしも睡眠ではなく、フランスベッドなどに入ってしずかに横臥するという静力学的条件から起こるものが多いことを忘れてはならないと思います。


睡眠による特有の生理変化として一番古くから知られたものは呼吸数と脈搏の減少でしょう。


この脈搏減少は大人でも子供でも約10パーセントですが、その原因はやはり安静横臥、新陳代謝の低下、筋肉のゆるみ、外部の刺激がないことと、睡眠中の副交感神経支配の高まりに関係していると思われます。

開発途上国の伝染病情報について 7

食品中に産生された毒素は、80℃30分以上あるいは100℃で数分間加熱すれば破壊されます。


ただし食品材料中に含まれていることのあるボツリヌス菌の殺菌には、これでは不充分です。


市販の保存食品では、高圧高温で処理するとか、抗菌剤を加えるなど、この中毒を予防するための指導がなされているのが普通です。


この病気の開発途上国における分布は、わかっていませんが、原因菌の分布状態から考えれば、どこで起こっても不思議ではないものです。


淋疾は世界中で多発しつづけています。


しかも、特効薬ペニシリンによる治療が普及したのに伴って、この薬に抵抗性をもつ淋菌が出現して問題になっています。


特に東南アジアやアフリカでは、このようなペニシリン耐性の淋菌による尿道炎がまん延しています。


アメリカ合衆国の疾病防圧センターの資料によると、このような耐性菌のみつかる頻度は、フィリピン(1979年)31.1%、シンガポール(1979年)19.2%、タイ(1978年)19.5%、サウジアラビア(1979~1980年)12%、リバプール(1976年)5.1%、オランダ(1979年)2.5%となっています。


調査がよくできていない国も多いようです。

開発途上国の伝染病情報について 6

細菌性の食中毒の大部分は、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など消化器系の症状を特徴とします。


これらとは少し違った症状を示すものにボツリヌス中毒(腸詰中毒)があります。


この中毒では、物がはっきり見えなかったり2つに見えるような眼の症状や、食べたものがうまく飲みこめない、声がしわがれて出にくくなるなど、神経麻痺の症状が特徴的です。


呼吸困難になり死亡することもまれではない重い病気です。


ただし、神経症状の現われる前に、嘔吐、下痢を見る例も少なくありません。


この中毒は、ボツリヌス菌という土や、魚、動物の腸などの中にいる細菌が食品を汚染し、これが食品の中で増えるときに出す毒素によるものです。


この細菌は、嫌気性と呼ばれる性質をもち、酸素のない状態でないと増殖できません。


従って、密閉した状態で保存されるような特殊な食品が原因で中毒が起こることが多いのです。


アメリカでは、野菜や果物の瓶詰を家庭で作ることが多く、これが原因でよく中毒が起きます。


ヨーロッパでは、生ハム、ソーセージなどの食肉製品でよく事故が起こりました。


その他、魚の燥製、魚の酢づけ、レバーペーストなど製造工程で充分加熱されないか、比較的低温で加熱される保存食品、特に、加熱しないで食べられるようなものも原因になります。


日本では、生魚と米飯を発酵させた「いずし」による中毒が有名です。


また、近年では真空パックの「からし蓮根」による事件が起こり話題になりました。

開発途上国の伝染病情報について 5

現在流行しているコレラは、エルトール型といわれるものです。


1960年代の初期からインドネシアのセレベス島を中心に伝播の輪をひろげました。


それが日本にも影響を及ぼしています。


海外へ旅行する人が感染して帰ったり、帰国してから発病したりするためです。


海外旅行をする人が増えるに従って患者の発生が増えている様子が図で示してあります。


1977年に、和歌山県有田市で流行が起こりました。


その原因は、コレラが常在する国へ旅行した人が帰国後発病、コレラと診断されないまま自宅療養していて、その人のふん便が井戸水を汚染したためだと推定されています。


海外で健康に暮らす心がけは、隣人を伝染病から守ることにもなります。

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